權亨胎インタビュー 


まずは自己紹介をどうぞ。
「近畿大学2年權亨胎(クォン・ヒョンテ)。182cm、68kgです。」
好きな食べ物はキムチ、と。
「アハハ。とんこつラーメンも大好きです。」
そうなんだ。ま、気楽に質問に答えてね。あのこのことは聞かないから。
「アハハハハ!!よろしくお願いします。」
テニスを始めた環境は?
「小学校4年生の時、学校のテニスクラブで始めました。」
へえ、小学校に硬式テニス部があるんだね。日本ではあまりきかないなあ。小学校4年てことは、10歳か。結構始めるの遅かったんだね。で、練習はどれ位してたの?
「ん〜大体週6回、一日5〜6時間くらい。」
はぁ!?何じゃその練習量は!!すごいねえ。考えられん・・・・
「今日本にも来ているオーヒ(元近畿大、全日本選手権準優勝、軽井沢フューチャーズ優勝)のお父さんが監督をしていたんです。」
ほえ〜、そうなんだ。意外なつながりが。それにしても、そんな小さな頃から目一杯テニスをできる環境があるんだねえ。うらやましい。じゃ、韓国での戦績は?
「え〜、全中単複優勝しました。」
10歳から始めてねえ。そりゃすごい。でもって、どうして日本にくることになったの?
「柳川高校に行っていたドンスーという先輩に面白いよ、て勧められたんです。韓国は、高校は沢山あるんですけど、担当の先生によって行けるところが大体限られてくるんです。だったら、自分で高校を選びたいと思って。」
ほうほう。いろいろ大変だっただろうねえ。では、ジュニア時代の戦績を。
「全日本ジュニア優勝、インターハイ準優勝(添田が優勝)、ダブルス優勝、くらいです。」
では話題を変えて。君は大学テニスはもとより、日本国内でも数少ないとてもコートを広く使う選手だよね。アングルとかドロップショットとか・・・そういうテニスはどこで身につけたのかな?
「ええと、韓国ではラリーの練習が多くて、コートにボールを入れ続ける練習を沢山するんです。100球でも200球でもず〜っとやります。その中でコントロールが良くなってきて、ポイントをとるためにいろんなショットを打てるようになったと思います。」
そういえば、安君とかリーヒュンタクなんてまさにそんな感じがするなあ。韓国の選手がみんな堅実なストロークと底なしの体力を持っているのはそのせいなんだ。
韓国遠征に行った友達があいつらどんなに振っても全部同じボール返してくる、っていってた。なるほど・・・それは韓国テニスの真髄でもあるわけだね。
これはある人からのリクエスト質問。試合中は、どんなことを考えながらプレーするのかな?試合の組み立てとか、相手をどうやって追い込んでいくのか、とか・・・
「う〜ん、試合中はあまり考えることはしないです。集中して、相手に合わせていきながら、いままで練習してきたことを出していくだけ、ていう感じです。」
・・・・相手に合わせながらか。その柔軟性が強みだね。そうそう、去年の全日本で決勝まで行ったけど、あれは自分にとってどういう意味があったかな。
「2回戦で岩渕さんとあたって、絶対に勝てないと思ったけど、ファイナルのタイブレークで何とか勝って、それがすごく自信になりました。それでガンガンいけて、そしたらたまたま決勝までいけて。すごくいい経験になりました。」
いやいや、実際に見てたけどたまたまには見えなかったなあ。1回戦もマッチポイントとられながら勝ったけど、すごく冷静にプレーしていたのを覚えてるよ。
じゃあ、今度は韓国のジュニア育成について。最近、韓国のジュニアがすごく強くなってきてるよね(今年のワールドスーパージュニアのベスト4、うち3人韓国人)。育成に関してどんなシステムがあるのかなあ。
「特にシステムとかは・・・ジュンとかキムとかは、小さい頃からサムスンがバックアップしているので、多くの遠征をこなしていたから、それで強くなったんじゃないかと思います。とくにジュンは体も大きいし、将来性があったから。僕は韓国代表の決定戦みたいので勝って遠征に行ったことはありますけど、個人で遠征したことはあまりないですね。」
(注、韓国ではサムスンという企業がジュニアチームを作り、選ばれた選手は年間ITF約20大会+フューチャーズに遠征することができ、また非常によい練習の環境をサポートしてもらえる。もちろん全ての費用はサムスンが負担。そのほかサムスンはチャレンジャー大会なども主催している)
・・・ちょっと踏み込んだ話を。君の国では、徴兵制があるよね。それについては、どう「行きたくないです。」
はやっ!!だよねえ。なんで2年も縛られなきゃいけないの?て感じだよね。
「そうです。ほんと。でも、一応テニスチームがあって、その中に入れればずっと練習していられるんです。オーヒもそのチームでやっていました。」
あ、そりゃいいじゃん。でも、やっぱ自由に身動き取れないのはやだよねえ。
「はい、行きたくないです・・・」 ヒョンテ、寂しげな笑顔・・・・・
まてよ、そうなるとジュンとかキムとかも徴兵されるんだよね。徴兵によって、将来の可能性が削がれることが大いにあると思うんだけど・・・・
「高校を卒業すると、徴兵の義務が発生するので、ジュンは中退したから行かなくていいんです。キムは今悩んでいるみたい。」
あ、そうなんだ。なるほど・・・・そういう手もあるんだ(聞くところによると韓国は日本以上の学歴社会らしく、徴兵されたくないと簡単に高校を辞めることはできないらしい)        
じゃ、これから将来はどうして行きたいのかな?
「できれば徴兵が終わったら日本に戻ってきて、スポンサーがついてくれればプレーを続けたいです。日本は本当に居心地がいいし、大好きです。
韓国よりも日本にいたいです。」
時間をとってくれて、どうもありがとう。これからも頑張ってね。カムサハムニダ!(ありがとう。言ってないけど)


試合終了後すぐに話を聞きたいんだけど、て言ったらいいですよ、ミーティングがあるんで、終わったら探しにきます・・・と律儀なヒョンテ。
蚊に何箇所も刺されながら長い時間話してくれました。いいやつです。
韓国からいきなり特殊な環境と話に聞く柳川に入り、言葉、上下関係など人知れぬ苦労も随分あっただろうなあ。
そんな彼の謙虚で素直な言葉は、とても身にしみるものがありました。彼を心から尊敬します。これからも頑張ってね。

 

2005年5月31日 関西学生トーナメントにて

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